大人の吃音症と仕事・アルバイトについて

吃音症を気にすると仕事に幅が狭くなる

吃音症を気にしてしまうと、おそらく仕事の幅が狭くなります。職探しにしても、アルバイトにしても、「吃音症を気にする=話さなくてもよい」という意識で仕事を探すと、どうしても話さなくてもよい現場での仕事となってしまいます。ただ、1つだけ言えることは、どの現場においても、コミュニケーションは不可欠だということです。以前の私の場合はシステムエンジニア(といってもプログラマでした)で、そこまで話す機会が少ないと思っておりましたが、そんなことはありませんでした。

例えば納めたシステムに欠陥があった場合。修正したはずの個所が別の不具合をきたしてしまっていた場合。そんなときは、必ず電話で連絡が来ます。電話に出ないわけにはいきませんし、相手の質問に対しては都度、応えなければいけません。他にも、社内はもちろん、社外でも打ち合わせの場があるため、まったく話さなくてもよいなんていうことはありません

どの仕事にも共通するコミュニケーション

どんな仕事をするにあたっても共通するコミュニケーションがあります。よくよく聞くと思いますが、「報連相」です。報告・連絡・相談。たとえどのような仕事をするにしても、これができないことには話になりません。もちろん、仕事内容にもよると思います。ただ、仕事をする上において自身の状況をきちんと伝えられるスキルがないと、うまく仕事ができません。逆に言うと、「報連相」ができれば、なんとかうまくいきます。もちろん、職場環境や仕事内容にもよると思いますが。

ちなみに、私はいまだに「報連相」が苦手です(社会人何年目やねんとか言わないで)。昔から人目を本当によく気にする性格なので、タイミングを気にしすぎるし、忙しいと拒否されると余計タイミングがわからなくなるし、人に物事を伝えるのが得意ではないので、まわりくどくなって嫌な顔されることはあるし。それでも、伝え方(結論・要件を先にい言うなど)を工夫して、なんとか伝わるようにはしています。あとは人目を気にせずいくだけですが、それが一番苦手。「超気にしい」なので。

参考までに私のアルバイト歴

ここからは大人の吃音症の私が今までやってきたアルバイトを列挙します。実はけっこうあります。個人的な意見を含めて参考までに。

ホームセンター :館内アナウンスが吃音症の気にしすぎで無理だった
飲食店(ホール):1対少人数がメインでそこまで辛くなくて、楽しかった
ゲームセンター :1対少人数がメインで意外と辛くなかった ※店舗にもよる
カラオケ    :受付くらいしか人と対面しないため意外と辛くなかった
映画館     :清掃兼アナウンスだったが、アナウンスが嫌すぎた
PCの指導教室 :基本1対1なのでそこまでストレスなく続けられた
某大型デパート :品出しとレジ打ちメインだがカードの説明は苦手だった

こうしてみると、見た目の関係もあるのか、わりと接客業が多いです。個人的にまず「館内アナウンス」が無理でした。そのため、吃音症で悩んでいる方は「アナウンス関係」の作業がない方が負担が少ないかもしれません。あとは声を出す作業。例えば、映画館では試写会の際に「手荷物検査」がありまして、来場者の方にその旨をお伝えするのですが、ここでまた吃音症が邪魔をして。うまく大声を出せず、何度も恥をかいたものです。あとは高速で説明する場面です。某大型デパートでは、大型デパート共通のカードを説明することがまれにあったのですが、どもりまくりでしたよ本当。あれはストレスでしたね。

逆に、飲食店(ホール)やゲームセンター。カラオケは意外と1対少人数のため、そこまで吃音症を気にすることはありませんでした。もちろん、「言いにくいメニュー」などはありましたが、そこは置き換えなど工夫していたような記憶があります。よほど手際が悪くなければ何とかなると思います。客引きなどはあまり経験ありませんでしたが、声を出すと意外と吃音症が気にならないものです。

おわりに

結果的に私が過去にしてきたアルバイトなどを紹介するブログになってしまいました。私から1つ言いたいのは、吃音症だから工場や現場作業だけしかない、と思いこまないほうがよいです。仕事内容による部分は大きいと思いますが、意外となんとかなりますし、知らない人とコミュニケーションを築くことってやっぱり大事です。アルバイトでしかできないつながりもありますし、アルバイトなので人間関係がうまくいかなかったり仕事内容がうまくいかなかったら、スパッと辞めればいいだけです。自身に負担をかけてまで続けることはありません。

他にも、大人になってから、客先で出会った隠れ吃音の方(吃音症の人から見ると吃音とわかるのですが、とても話す方であこがれでした!)の話やいろいろと書きたかったのですが、長くなりすぎたのでこのあたりで。