吃音とストレスの関連性について

ストレスには2種類ある

以前のブログでも書いていましたが、ストレスには大きく分けて2種類あります。外的要因によるストレスと内的要因によるストレスです。私は人一倍メンタルが弱い性格なので、両方のストレスに対して過敏であり、日々の生活に支障をきたすこともけっこうあります。たとえば寒暖の変化。これは外的要因のストレスになるのですが、最近、急に暑くなりましたよね。その寒暖の変化についていけず、寝れない、なんとなくしんどい、なんてことがずっと続いています。

内的要因のストレスはすぐには変えられない

内的要因のストレスとは、性格や考え方、体質など、自分自身の内面的な部分に関係するストレスです。例えば内的要因の1つ、性格ですが、私は他人の目線をめちゃくちゃ気にします(以前よりはましになりましたが)。また、言葉のとらえ方1つもそう。他の人からしたら何でもない一言で、傷つくこともあります。言われたことをいつまでも思い詰める性格です。思い詰めてがまんしていることで、どんどん悪い方向へ転がっていくんですよね。このように、性格のような内面的な部分に関するので、すぐに変えることができません

外的要因のストレスはすぐに変えられる

外的要因のストレスとは、内的要因とは異なり、外の環境や人間関係、気候の変化など、自分自身ではなく外側に関係するストレスです。記事の上に書いている「寒暖の差」もそうですが、職場の人間関係や仕事の負荷、以前の記事でも書いた通勤によるストレスがあげられます。

正直、仕事をしている人は、職場の人間関係や仕事の負荷など、職場関係のストレスが大半を占めるのではないか(もちろん、うまくいっている、仕事が大好きな方もいるとは思いますが)と思っています。先ほども書いたように、これは外的な環境(人間関係、仕事内容、通勤による負荷)によるものなので、極論ですが仕事を辞めてしまえば無理やり外的要因を変えて、ストレスを軽減することができます

吃音は内的要因のストレス?

私の意見ですが、吃音は個性(体質)のようなものだと受け入れています。よって、ストレスとしては内的要因のストレスにあたるのではないか、と考えています。内的要因のストレスは簡単に変えることができません。長い目で見て、「自身の個性なんだ」、「他人とは異なる自分の体質なんだ」と受け入れていきます。すると、吃音症にたいして鈍感になると言いますか、「どもる」ことに対するストレスが減り、「吃音の悪循環」から抜け出せていくのではないでしょうか。

内的要因のストレスによる悪循環

どもればどもるほど焦り、他人とは違う、うまくしゃべれない、そんな自分が嫌になり、よけいにストレスを感じる。ストレスを感じると精神的にしんどくなり、悪い方向に考えるようになり、吃音についてよけいに嫌だと、嫌悪感を持つようになる。吃音症を憎む。すると、どんどん自分の吃音を意識するようになり、またうまくしゃべれない、ストレスを感じる。この悪循環の繰り返しです。

吃音を受け入れることで変わった自分

以前の私は吃音を憎んでいました。もう、正常な人のように楽しく話せず、他人からどのようにみられているかを人一倍気にして生きていくんだ。劣等感、コンプレックスの塊でした。その吃音を無理やり治そうと、心療内科へ通い、大量の精神安定剤をもらい、内的要因によるストレスを和らげることもしましたが、それも一時的なもの。

30歳を前にして、吃音を受け入れることができたことで、吃音に対するコンプレックスが小さくなりました。以前のように吃音にたいして憎しみをもつことはなくなりました。自身の個性だと思うことで、どもったときに人の目も気にすることが少なくなりました。ただ、吃音の悩みのピークのときから本当に長い時間かかりました。そのような流れで、隠れ吃音として、何とか社会復帰することができました。

吃音とストレスの関連性

あくまで私の意見ですが、吃音は「治す」ものではなく、「受け入れいてく」ものなのだと思います。内的要因のストレスである、例えば性格や考え方などを「治す」ことはできますか?性格なんて簡単に変えられないですよね。そもそも変える(治す)必要なんてないんです。その人にしかない個性なのですから、他人と違って当たり前なんです。吃音も同じ。

自分の性格を受け入れられたらどうですか?私は人一倍、人の目を気にする性格です。失敗した自分を見られたくないです。でも、その性格を受け入れられたら?人の目を気にするということは、失敗した時を想定して、人より準備など抜かりなくしますよね。つまり、大失敗することが少なるなります。これって長所ですよね。

吃音は個性です。うまく話せないとき、メンタルが弱っているとき、焦っているとき、緊張しているとき、どもりやすくなりますよね。でも、それが自分の個性だと受け止めましょう。どもった時に備えて、話すための準備をしようとしませんか?私の場合はプレゼンの前は人一倍練習するし、電話についても結論からわかりやすく話すなど、いつも努力・工夫をしています。人より頑張れるって長所ですよ。胸張っていいと思います。

最後に私のこと

カッコよく書いてはいますが、以前の私は吃音を憎んでいました。本当に吃音によるストレスの悪循環で、無職のどん底時代もありました。そこから吃音を受け入れるまではとても時間がかかりました。ただ、それは家族が優しく見守ってくれたから。みんな支えてくれて、家族が吃音を受け入れてくれて、そんなこんなで意識が少しずつ変わっていったのだと思います。

あなたも吃音で悩んでいるかもしれません。吃音を憎み、話すのに失敗するたびにつらい思いをして、必死にもがいて、それでもうまくいかなくて悪循環になる。でも、少しずつでいいので「吃音って自分の個性なんだ」と受け入れていきませんか。個性なので治すとか変わるとかそんな簡単にできるものじゃないです。でも、いつかは受け入れることはできると思います。そうしていくことで、少しずつではありますが、吃音に対して前向きに捉え、いつしかほとんど気にしなくなる日が来ると思いますよ。