今回も問い合わせがきっかけ

問い合わせ:スキャンができない
今回のブログ記事はネットワーク絡みの内容です。問い合わせ内容としては「複合機からスキャンができない」というものでした。今までの経験上、スキャンができない時は「①:共有フォルダが見えなくなっている(権限や場所)、②ネットワーク絡みの障害(簡易)」といった簡単なことが原因のことが多いのですが、今回は違いました。
今回は上記①、②の複合的なことが原因となっていたのです。下でも述べますが、まず明らかにネットワークの表示がおかしいということ。クライアントPC本体とそれ以外のPCからの見え方(IPアドレス)が異なります。そして、共有フォルダが見えないということです。これもクライアントPC本体ではしっかりフォルダが共有されているのに、外から何も見えないのです。
今回の症状とは?実は複数ありました

症状①:nslookup及びpingがおかしい
調べていくと、そもそもnslookupやpingで表示されるIPが本体のPCと異なることがわかりました。ネットワーク絡みでトラブルが発生するとよく使うコマンド「ipconfig」ですが、当該のPCでこれを行うと「192.168.1.10」と表示されるとします。次に当該のPC名(ホスト名)でnslookupを行うと「192.168.1.20」などと表示されるのです。これって、どういうこと?
当該のPCとしては明らかに社内ネットワークに属しており、DHCPで振られたIPを持っているにも関わらず、そのホスト名で名前解決できていないのでしょうか。他のPCからpingでそのPC名を打つと違ったIPが返ってくるのです。ちなみにですが、返ってくるIPにはなんの端末もいない。これは謎すぎる・・・。
症状②:エクスプローラで共有フォルダが見えない
次に調べていくと、エクスプローラで共有フォルダが見えないことがわかりました。IPアドレス「¥¥192.168.1.10」を打つと、何も表示されない。当該のPCでは共有フォルダを見てみるとたしかに存在して、共有フォルダの権限についても問題がない。それなのに何も表示されません。
ということで、主に上記2つが原因となってスキャンができていないのではないかと推測しました。今回はこの2つの原因を改善し、スキャンできるようになるまでを備忘録としてブログ記事にします。
いくつかの解決策を実施!

解決策①:ipconfig /release /renew
まずはDHCPの振り直しです。コマンドプロンプトを開き「ipconfig /release」してから「ipconfig /renew」するというもの。これってあまり今まででも役に立ったことがなかったのですが・・やはり効果なしです。ちなみにですが、ipconfig関連についてはこちらのサイトがわかりやすいかも。
releaseやrenewでパソコンのネットワーク機能に異常がないかなどの調査などができます。また、インターネットにつながらないときもIPアドレスの再取得を行い検証することがあります。
https://www.pc-master.jp/trouble/ipconfig.html
解決策②:ipconfig /registerdns
次はDNSでうまくIPの自動更新がかからなかった場合に行うコマンドです。というのも、実はサーバの運用保守を依頼しているベンダーさんにも相談していたのですが、リモートで見てもらったていたところDNSサーバ上でうまくIPの自動更新がされていない(2日前にDHCPで付与された古いIPのままになっている)と話があったためです。しかし、直らず。
DNS情報の動的更新を使っているネットワーク環境で,回線断などの理由から動的更新が失敗したままになっている場合は,ipconfigコマンドを使って明示的に動的更新を実行することで問題が解決することがあります。
https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20060224/230602/
解決策③:ドメインの入り直し→dns手動更新
最後に行ったのはドメインから一度だけ出て入り直すというもの。単純にPCのドメインを一度ワークグループ(WORKGROUP)に変更し、再度、元のドメインに入り直すというものです。会社の環境ではadminアカウントが用意されているので、adminユーザでワークグループに変更してからすぐに元のユーザでドメインに入り直しました。
その後「ipconfig /registerdns」でIPを更新を実行。すると・・直った!pingもnslookupもきちんと新しいIP(というより当該PCの今のIP)で返ってくるようになりました。もちろん共有フォルダが見えるようになり、スキャンでもできるようにもなりました。
解決!振り返りも大事!!

今回の問い合わせについて振り返り
いかがでしたでしょうか。今回の主な原因は2つありましたが、結果的に「ドメインの入り直し→dnsの手動更新」をすることで2つの原因が解決にいたりました。このような事例は初めて見たものだったのですが、やはり、いつもと異なる事象の場合だと、いろいろと調べて作業を進めることになるので非常に勉強になります。
まだまだ他にも謎の不具合や問い合わせが来ているので、解決すれば、このような形で備忘録として記事にしていければと思います。それにしてもコマンドプロンプト(cmd)ですが、もっと使いこなして活用していきたいですね。リファレンスでも買おうかしら。